投げサビキを始めたばかりのころ、こんな経験はありませんか?
「周りは釣れているのに、自分だけ釣れない」
同じ場所、同じ時間、同じような仕掛けに見えるのに、なぜか釣果に大きな差が出る。私自身、日本海の境港・美保関エリアで何度も同じ状況を経験しました。
隣の人は30匹以上釣っているのに、自分は2匹だけ。しかもサイズは小さい。
当時は理由が分からず、「腕の差なのかな」と思っていましたが、後から分かったのはもっとシンプルなことでした。
それが・・・
タナ(魚がいる深さ)です。
実は、タナが1m〜2m違うだけで、アジの反応は大きく変わります。
この記事では、初心者が迷いやすい「タナ調整」の考え方について、実際の失敗体験も交えながら分かりやすく解説します。読み終わるころには、
- どこから探り始めればいいか
- どうやって調整するか
- 釣れている人との差の見つけ方
が分かるはずです。
第1章:なぜタナで釣果が変わるのか
投げサビキで最も重要なのは、魚がいる層に仕掛けを合わせることです。
アジは常に同じ場所にいるわけではありません。
水温、潮の流れ、ベイトの位置、時間帯などによって、泳ぐ深さが変わります。
つまり、
「今日は底にいる」
「今日は中層にいる」
というように、日によって正解が変わるのです。
ここを理解せずに「ネットでは底がいいと書いてあったから」と固定してしまうと、群れを外してしまいます。実際、私が2匹しか釣れなかった日は、アジは底にはいませんでした。
隣の人は中層で連続ヒット。
同じ場所でも、タナが違うだけで結果がまったく変わる。これがサビキ釣りの難しさであり、面白さでもあります。
第2章:初心者がやりがちなタナの勘違い
初心者の頃の私がまさにそうでしたが、タナにはよくある勘違いがあります。
「アジは底付近にいる」という思い込みです。
ネットで調べると、底狙いをすすめる情報も多く出てきます。もちろん状況によっては正解ですが、それが常に当てはまるわけではありません。
私が失敗した日も、ほとんど底を狙っていました。
「深い方がいいだろう」と思い込み、ウキ止めをほとんど動かさずに釣っていたのです。
しかし、隣の人は4ヒロ前後。
同じタイミングで群れが回ってきたのに、私の仕掛けだけ反応がない。この時は本当に意味が分かりませんでした。
後で考えると、原因は単純でした。
魚がいる層を狙っていなかった。
初心者のうちは、
- 一度決めたタナを変えない
- 深い方が釣れそうと思う
- 周囲を観察しない
この3つに陥りやすいです。ですが、タナは「固定するもの」ではなく、探るものです。この感覚を持てるかどうかで、釣果は大きく変わります。
第3章:実際に釣れたタナ(体験ベース)
タナ調整の話で一番大切なのは、理屈だけではなく「実際どうだったか」だと思っています。
私が日本海で最初にまとまった釣果を出せた日は、晴れ・無風・朝マズメ。
その日は一投目からアジが釣れました。
タナは6〜7m。これは自分で見つけたわけではありません。前回、隣でよく釣っていた人に勇気を出して聞いた情報でした。
「どれくらいのタナでやってますか?」
そう聞いて返ってきた答えを、素直に試しただけです。
すると、周りと同じタイミングでウキが沈み、次々とアタリが出始めました。ここで初めて気づいたのは、釣れている人は、ちゃんと魚がいる層に合わせているという当たり前のことでした。
一方で、悔しかった日のタナはどうだったか。その日は、ほとんど底を狙っていました。ネットの情報を見て「アジは底付近にいる」と思い込み、深めを固定していたのです。
結果は、周囲が30匹以上釣っているのに自分は2匹。しかもサイズが小さい。
あとから釣れている人に聞くと、4ヒロ〜4ヒロ半という答えでした。
すぐに合わせると、同じタイミングで自分にも反応が出始めました。この時、はっきり分かりました。
- 底にいると思っていたアジは、中層にいた
- タナ1〜2mの違いが致命的だった
つまり、釣れない原因は腕ではなく「位置」だったのです。
この経験から、私はこう考えるようになりました。タナに正解はありません。あるのは、「今日、その時間の正解」だけです。
第4章:初心者が迷わないタナの探り方(実践手順)
ここからは、実際に私がやっている方法です。初心者でも迷わないように、順番で説明します。
① 最初は深めから始める
日本海は水深があるため、まずは少し深めからスタートします。目安としては、
- 7m〜8m付近
- または5ヒロ前後
ここから始めると、群れがいれば反応が出やすいです。
② 反応がなければ少しずつ上げる
最初の設定で釣れないからといって、ずっと待たない。10分ほど反応がなければ、
- 50cm〜1m
ずつ浅くしていきます。一気に動かすのではなく、少しずつ。これをやるだけで「偶然釣れた」が「狙って釣れた」に変わります。
③ 周囲を観察する
釣れている人を見て、
- ウキの浮き方
- 投げている距離
- 回収のタイミング
を観察します。そして、思い切って聞いてみる。私はこれで一気に釣果が変わりました。釣り場の情報は、その日限定の“答え”です。
④ 反応が出たら固定しない
一度釣れると、そのタナが正解だと思ってしまいます。でも群れは動きます。だから、アタリが止まったら再び微調整。これを繰り返します。
⑤ 群れが来たら手返しを優先
タナが合った瞬間はチャンスです。コマセを効かせて投入回数を増やす。群れを足止めするイメージで釣ります。
第5章:タナが合った時に出る「サイン」
タナ調整は難しく感じますが、実は「合った瞬間」には分かりやすいサインがあります。これを知っているだけで、迷いがかなり減ります。
① 周囲と同じタイミングで釣れ始める
これは一番分かりやすいサインです。私が4ヒロ〜4ヒロ半に合わせた時も、ちょうど周りが釣れ始めたタイミングでした。それまで静かだったのに、急に何本も竿が曲がる。このとき、自分にもアタリが出るようになりました。
つまり、群れに仕掛けが入ったということです。
② アタリが連続する
偶然の1匹と、タナが合った状態は違います。タナが合っている時は「投げる→少し待つ→アタリ」という流れが繰り返されます。これが続いたら、今のタナを基準にします。
③ 周囲の釣果と差がなくなる
「なんで自分だけ釣れないんだろう」と感じていた状況が「周りと同じくらい釣れる」に変わった時、それはタナが合ったサインです。
④ サイズがそろう
アジは群れで動くため、同じ層にいる魚はサイズが近いことが多いです。急に周りと似たサイズが釣れ始めたら、層が合っている可能性が高いです。
第6章:タナ調整でやらない方がいいこと
これは、過去の自分に言いたいことでもあります。
❌ 一度決めたタナを動かさない
「さっき釣れたから」と固定すると、群れが動いた時に突然釣れなくなります。アジは止まっていません。だから、こちらも少しずつ調整していく必要があります。
❌ ネット情報をそのまま信じる
私もやりました。「アジは底」と書いてあったので、底ばかり狙って2匹。でも現場では中層が正解でした。ネットは参考にするもの。答えはその日の釣り場にあります。
❌ 周りを見ない
初心者ほど、自分の釣りに集中しすぎて周囲を見なくなります。でも、釣れている人は最高のヒントです。「見る → 真似する → 聞く」これだけで大きく変わります。
❌ 大きく動かしすぎる
タナを一気に変えると、逆に正解を見失います。基本は50cm〜1mずつ小さく調整。これが一番効率的です。
まとめ:タナ調整は「探す作業」
投げサビキで釣果に差が出る理由の多くは、タナです。
私自身、底狙いで2匹しか釣れなかった日と、タナを変えて40匹釣れた日、両方を経験しました。ここから分かったのは、
タナには固定の正解はない
ということです。
その日、その時間の正解を探す。これが投げサビキの本質だと思っています。
もし今、「周りは釣れているのに自分だけ釣れない」と感じているなら、まずはタナを疑ってみてください。それだけで、世界が変わるかもしれません。

