「日本海は魚影が濃い」「初心者でも釣れる」――釣りを始めた頃、そんな言葉を何度も耳にしました。
私は瀬戸内海が近い場所に住んでいますが、実際に足を運ぶことが多いのは日本海側、特に境港や美保関周辺です。理由はシンプルで、初心者の自分でも魚に出会える確率が高いと感じているからです。
初めて日本海で釣れた魚はアジでした。仕掛けを投入してしばらくすると、ウキがスッと入って、想像以上に力強い引きが竿に伝わってきました。瀬戸内でなかなか味わえなかった感覚に、「これが日本海か」と胸が高鳴ったのを今でも覚えています。
ただし、日本海だからといって毎回大漁というわけではありません。周囲が次々とアジを取り込んでいるのに、自分だけまったく釣れない――そんな悔しさも何度も経験しました。
この記事では、境港・美保関エリアで実際に投げサビキを続けてきた中で分かった、
- 40匹釣れた日の共通点
- 2匹しか釣れなかった日の失敗
- タナ1〜2mの差が生む決定的な違い
を、初心者目線で具体的に解説します。
第1章:日本海(境港・美保関)が初心者に向いている理由
① 回遊魚が入りやすい環境
日本海側は水深があり、潮の動きも比較的はっきりしています。ベイトが入りやすく、それを追ってアジなどの回遊魚が港湾部に差してくることが多い印象です。
特に10月〜11月はアジの群れが安定して回遊する時期で、初心者でも釣果を出しやすいシーズンだと感じています。実際、私の自己最高は1日で約40匹です。
② 足場が比較的安定している
境港や美保関周辺には、足場が比較的安定している港湾部があります。細かなポイントの特定は控えますが、初心者でも竿を出しやすい環境が整っています。
釣り場は地元の方の生活圏でもあります。ゴミの持ち帰り、騒音への配慮、駐車マナーなど、基本的なことを守って楽しみましょう。
第2章:40匹釣れた日の詳細(晴れ・無風・朝マズメ)
その日は晴れ。風もほとんどなく、朝マズメの時間帯でした。まだ薄暗さが残る中、仕掛けを投入すると・・・一投目からウキがスッと入ります。
合わせを入れると、アジ特有のブルブルとした引き。サイズも悪くありません。その日は最初から群れが入っていました。
タナは6〜7m。これは前回、隣でよく釣っていた方に聞いて「まずそこを試してみる」と決めていた深さです。
ここで大事なのは、「自分だけ爆釣だった」わけではないこと。周りも同じように釣れていました。つまり、群れは確実にそこにいた。違いは、その層に仕掛けが入っていたかどうか――それだけでした。
群れが回遊しているタイミングでは、とにかく手返しを意識しました。アジを外し、コマセを詰め直し、すぐ再投入。群れを足止めするイメージで、リズムを崩さない。
結果、その日は約40匹。「正しく合わせればちゃんと釣れる」という手応えを得た一日でした。
第3章:2匹しか釣れなかった日の現実(底狙いの落とし穴)
条件が悪い日だったわけではありません。朝マズメで、周囲には投げサビキの人が並び、釣れそうな雰囲気はありました。
でも結果は、隣の人が30匹以上釣っているのに、私のクーラーは2匹。しかもサイズは小さい。
正直、焦りました。
「何で自分だけ釣れないんだろう」
パッと見る感じでは、隣と仕掛けもポイントもやり方も大きく違わないはず。なのに差が出る。意味が分からない状態でした。
その時の私は、ネットで見た「アジは底付近にいる」という情報を鵜呑みにして、ほとんど底狙いで深いところを狙っていました。今思えば、それが大きな落とし穴でした。群れは底ではなく、別の層を回っていたのです。
この経験で学んだのは、サビキ釣りの奥深さです。ほんのちょっとした差が、釣果を大きく分けます。
第4章:差を生んだ3つの決定的ポイント
悔しい思いをしたあと、私は大きなことを変えたわけではありません。修正したのは、ほんの少しです。
① タナを「4ヒロ〜4ヒロ半」に修正
釣れている人に聞きました。正直、最初は少し恥ずかしかったです。でも思い切って声をかけ、「今どれくらいのタナですか?」と尋ねました。
返ってきた答えが「4ヒロくらい」。すぐ合わせてみると、周りが釣れだしたタイミングで同じように釣れだしました。
タナ1〜2mの差が、ここまで釣果に影響する。これは衝撃でした。
② サビキ針(メーカー・色・サイズ)の違い
当時の私は「サビキはどれも同じ」と思っていました。しかし、釣っている人が使っていたものを教えてもらい、変えてみたことで見え方が変わりました。
私が教えてもらったのは、ハヤブサ(Hayabusa)小アジ専科 白スキン 7〜8号です。
メーカー、色、サイズ――小さな違いでも、反応に差が出ることがあります。特に周囲が釣れている状況では、この差が表面化しやすいと感じました。
③ 手返し(投入回数)
釣れている人は、テンポが速い。アジを外し、コマセを詰め直し、すぐ再投入。群れをその場にとどませる意識がありました。
投げサビキは「回遊しているアジをとどませる」イメージが大事。投入回数の差は、回遊魚相手だと結果に直結します。
第5章:日本海と瀬戸内の違い(魚影と回遊のスピード感)
私が日本海に通う最大の理由は、やはり魚影の濃さです。瀬戸内でも釣れますが、日本海は「群れの入り方」が違うと感じています。
日本海は回遊がはっきりしていることが多く、群れが入ればウキが一気に沈む。逆にいなければ反応がほとんどない。つまり、チャンスが短く、集中力が求められる釣りです。
だからこそ、手返しとタナの精度がものを言います。瀬戸内の感覚をそのまま持ち込むとズレることがある――底狙いで失敗した日が、まさにそれでした。
第6章:季節別・日本海投げサビキ戦略(春・秋・冬・夏)
■ 春(3月〜5月)
春の日本海は、冬の厳しさから少しずつ回復していく時期です。水温が上がり始めるものの、まだ安定しきっていないため、日によって釣果のムラが出やすいのが特徴です。
体感としては、春は「当たればサイズが良いが、群れは小さい」ことが多い印象があります。朝マズメに回遊が入ると、単発ながら良型が混じることもあります。
タナはやや深めを意識することが多く、5m〜7m前後から探ることが多いです。風が強い日もあるため、ウキの動きが読みづらい時は立ち位置やラインの処理(糸ふけの管理)も意識するとアタリを取りやすくなります。
■ 秋(10月〜11月)
もっとも安定しやすい時期です。群れが入りやすく、サイズも比較的良い。初心者が最初の成功体験を得るなら、この時期がおすすめです。
タナはその日の状況で変わりますが、私の経験では4ヒロ〜7m前後をまず探ることが多いです。
■ 冬
水温が下がり、状況は厳しくなります。群れの規模も小さくなり、タナは深くなりがち。手返しよりも「粘り」が重要になります。
■ 夏
サイズは小さめになることが多いですが、数釣りが楽しめる時期でもあります。日中は水温が上がりすぎることもあるため、朝夕の時間帯が有利です。
第7章:安全とマナーは最優先
日本海は天候が変わりやすいです。朝は無風でも、昼には強風になることがあります。
- ライフジャケットの着用
- 天気予報の事前確認
- 単独釣行では無理をしない
- 足場が濡れている場所は避ける
また、ゴミは必ず持ち帰り、地元の方の迷惑にならないように配慮しましょう。場所を特定しすぎないのも、釣り場を守るための配慮です。
第8章:初心者に一つだけ伝えたいこと
もし一つだけ伝えるなら、これです。
「最初は釣れている人のマネをすること」
恥ずかしくても、勇気を出して聞いてみる。
- 「タナはどれくらいですか?」
- 「サビキは何号ですか?」
その一言が釣果を変えます。私自身、6〜7mというタナも、4ヒロ〜4ヒロ半という修正も、すべて現場で教えてもらったことがきっかけでした。
ネット情報も参考になりますが、現場の情報には敵いません。
まとめ:小さな差が大きな差になる
日本海(境港・美保関)は、初心者でも魚に出会いやすい環境です。ですが、釣果を分けるのは大きな違いではありません。
- タナ1〜2mの差
- サビキのメーカー・色・サイズ
- 投入回数(手返し)
こうした小さな差が、30匹と2匹の差になります。
これから日本海で投げサビキを始める方は、ぜひ「小さな差」に注目してみてください。そして、恥ずかしがらずに釣れている人に聞いてみてください。それが最短で釣果を伸ばす近道です。
